地方行政: 2006年12月アーカイブ
大学院の一室で調べ物をしていたところ、同期の方から
「鹿児島の『のざき牛』って知ってる?とてもおいしかったんだけど」と聞かれました。
「鹿児島黒牛ではなく『のざき牛』ですか?初耳ですね・・・・」と言うと、
実際に食べたお店のサイトを紹介していただきました。
※参考 : さいたま市・会席料理二木屋
その他検索したところいろいろなページが引っかかり、やっぱりちゃんと存在することがわかりました。不勉強を恥じる次第です。
ついでなので、「銘柄牛(ブランド牛)」について調べてみました。
どうやら明確な法制度はないようで、やろうと思えば「しもづる牛」も可能なようです。
※参考 : 財団法人日本食肉総合センター・用語解説「銘柄(牛)」
実際に、産地を冠としたブランド牛が乱発されており、差別化が難しい状況だと思います。
この点逆に、品質に真にこだわり、マーケティング戦略を練り、差別化を行えるのであれば、意欲有る生産者の方は自らのブランドを立ち上げることができるわけです。
例えばこの「のざき牛」、鹿児島ではなく東京食肉市場でと畜処理されています。
※参考 : 財団法人日本食肉総合センター・銘柄ハンドブック「のざき牛」
これは恐らく、東京の高級品市場をターゲットに、と畜したての新鮮な食肉を提供する考えからでしょう。
冒頭の料理店でも1人13,000円のコースでのみ出されていると言うこの「のざき牛」は、県産品を高付加価値化して都会から鹿児島へお金を持ってくる、「稼ぐ」非常にいい先進事例だと思います。
この例に倣い、同様の事例がたくさん出てくることを願っていますし、それができる仕組みづくりを県や関係団体で取り組んでいく必要があると思います。
さて、それでは今晩は牛肉食べながら元気を付けて政策のタネを考えよう!
・・・と思ったのですが、冷蔵庫にあるのは100円/100gの輸入肉でした・・・・稼いで無いから仕方ないところですね。
鹿児島県の借金残高は約1兆6千億円あり、利子の支払いだけで年間約280億円が飛んでいく状況です。(平成18年度予算より)
1日当たりに直すと約7700万円。毎日一戸建ての家が三軒建つ計算ですね。
それに加え、今後利子の額が上昇していく可能性があります。理由は、金利上昇です。
現在の借金の平均利率は(上記より計算すると)1.75%ですが、最近では10年債を1.9%で発行していることから考えると、
利率が上昇→利払いの額増加 が予想されます。
この状況を少しでも改善するため、予算を「使う」発想から「稼ぐ」発想へ転換し、
企業誘致、起業支援、県産品高付加価値化を推進する必要があると思います。
また、毎年借金を減らし続ける取り組みが必要不可欠です。現状では平成17年度に微減したのを除けば
増え続けるばかりで、若い世代に負担が重くのしかかってきています。
今後とも、借金を減らし続けていかなければなりません。
地方議会の議員には、「政務調査費」という名目でお金が支給されます。
鹿児島県の場合、月30万円を上限に支給されることになっています。
※参考 : 鹿児島県政務調査費の交付に関する条例 第3条、第11条
・第3条 : 月30万円を支給 ・第11条: 余ったら返還
で、年度末に収支報告書を提出するわけですが、領収書を付ける必要がないのです。
例えば、「研修費に10万円、人件費に20万円使いました」という適当な報告で済んでしまうのです。
これでは、実際に「政務調査」に使用したか否かに関わらず、適当に名目付けて、上限の月30万円分もらおう、ということになってしまうのではないでしょうか?
実際に、東京都目黒区で政務調査費をめぐり、議員集団辞職など大きな事件となっています。
※参考 : 「東京・目黒区の政務調査費、別の6区議も収支報告修正」(2006/12/5 読売)
その要因が領収書をつける義務がないことで、甘いところが多いようです。
※参考 : 「領収書義務 区部は7区 政務調査費」(2006/11/28 朝日)
<鹿児島県でやるべきこと>
1. 「政務調査費」の意味を再確認する
・名前のとおり、これは給料ではなく、あくまで政策立案や調査に実際にかかった費用を出すものです。
その意味を再確認する必要があるでしょう。
2. 「政務調査費」の用途を明確に規定する
3. 領収書添付、公開義務とする
・これは、条例を数条改正すればできることです。
(ちょうど、前回の勉強会では一部改正条例案をお示ししたところです。)
今後地方分権の流れの中、地方議会にはより高い政策形成能力が求められていくと思いますが、
政務調査費が真に政策形成に役立てられる仕組みを、鹿児島県でも早く作る必要があります。
私が大学院で研究しているメインテーマのひとつが、財政・税です。
税に関する議論で際立つのが、「そのしくみは実際にできるのか?」(執行可能性)という点です。
つまり、どんなに公平な、「優れた」しくみであっても、所得を把握したり、税を徴収したりするのに膨大な手間・お金がかかってしまっては、意味がないということです。
私が他に研究していることとして、「電子政府・自治体」がありますが、
「使える」しくみ、として考えることがあります。
現在鹿児島県のホームページで公開している情報は、県が作成している情報に比べて少ないのではないかと思います。
財政関係の調査をしていて思うのですが、過去の年度の財政状況など、おそらく紙の資料としては作成しているものの、
Webに掲載していない情報が多いように思われます。
ところで、情報の公開は、県民の皆さんが今まで培われた経験、知識など「県民力の結集」を行うのに不可欠です。
私下鶴は、鹿児島県は、行政職員だけでなく、それぞれの分野で豊富な経験・知識をお持ちの「プロ」の皆さんの力を結集し、この難局に立ち向かうことで、よりよい未来を切り開くことができると考えています。
この情報公開(しかも「言われる前に出す」体制を作る)を考えるとき、考慮しなければならないのは、
行政の手間が増える、ということです。つまり、文書を作っただけではなく、一々Webに載せる手間が増える、ということです。
確かに、近年行政の人員が減らされる中、情報公開の試みはこのままでは「優れて」はいるが「使えない」しくみになってしまうでしょう。
そこで、文書はどうせPC上で作っているのでしょうから、作成→ネットワーク上での上司の承認→Webへの掲載、という
現場の人の手間をあまり増やさないしくみはできないでしょうか?
いろいろ方法・形はあるでしょうから、このように現場の人が動きやすく、情報公開の充実という結果も出せる、「使える」情報公開のしくみを考えていきたいと思います。
